No.308 市街化調整区域と農家住宅

2013-04-22
■事案の概要
買主は、売主業者から土地付建物を売主代理業者(売主の販売会社)を通じて購入しました。重要事項説明書には、「現行市街化調整区域」と書いてはありましたが、都市計画法などの説明はありませんでした。しかしその後、当該物件は農家住宅として建築基準法の確認をとったもので、その確認を受けた者以外の者は都市計画法上入居が認められていない事が判明しました。
そこで、買主は、両業者に白紙解約の申出をしましたが、両業者が応じないので、県に来庁されました。県で、両業者を呼んで事情を聞いたところ、「この購入物件は、他の会社から建築確認付きで取得したもので、地目は雑種地、建築確認申請をした人は農家でした。建築確認付きの建物は自由に売買できると思っていたので、買主に対しては『農家住宅で建築確認をとっているので家は建つ』と説明しました」ということでした。
農家住宅(都市計画法第29条第2号)は、市街化調整区域内の建築規制の適用除外とされております(都市計画法第43条第1項本文)。しかしこの除外措置が適用されるのは、農家が建築し、自ら居住するものでなければなりません。農家住宅として建築確認をとって、これを他人に譲渡し、都市計画法第29条第2号以外の建築物とすることは、同法第43条第1項本文の用途変更にあたり、同条の制限に違反します。これに違反した場合は、同法第81条の監督処分、第92条第6号の罰則の適用があります。
これらを隠して、単に「現行市街化調整区域」とのみ重要事項説明書に記載したのは、明らかに宅建業法第35条第1項第2号、施行令第3条第1号に違反する行為です。建築確認申請者が建築した建物は自由に売買できると思っていたとは、とんでもない話です。農家住宅の適用除外を悪用して脱法行為を狙った、悪質な行為です。

■トラブルの結末
本件は、買主の両業者との間で和解が成立しましたが、県としては、このような観点から、売主業者と売主代理業者を営業停止処分にしました。
市街化調整区域の取引は、通常の取引と違って難しい問題が多いのは事実ですが、業者は、正確に買主に説明しなければいけません。

(重要事項説明の紛争事例/財団法人不動産適正取引推進機構)

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